この話は ティキとラビが 普通に付き合ってる設定になっています。

一応 全年齢向きですが それなりの 表現は出てきますので
よろしくお願いしますvvv



完結しましたvvv 
連載の続きから読まれる方は7章から どうぞvvv 2008.12.06

Silent Night




           1







降り出した雨はこの時期には珍しいほどの
大雨になっていた。

その雨の中
薄暗くなった路地を フラフラと
何度となく壁に身体を打ち付けるように
歩く黒い姿があった。



街の一角にあるアパルトマンに辿り着き
その荒れた息を鎮めようと
しばらく何度か大きく深呼吸を繰り返す。
しかし それは一向に鎮まりそうになかった。

吐く息は 白く 薄暗くなった空に
浮き上がって見える。



「・・・クク・・・さすがに・・
 ちょっと 遊びが過ぎたか・・・」



その黒い姿の主は 自分の腹に手をやり
ベッタリとついた赤い色に目をやって
力なく哂った。

冷えていく身体は とうの昔に
感覚を失っていた。

その身体を動く事が出来るうちにと
ユックリと自分の部屋まで階段で上がっていく。

アパルトマンの階段は外に付けられているので
流れていく赤い色も そのうち消えてしまうだろう。

そんな事を ウッスラと考えながら
ドアに ぶつかるようにして部屋に入った。

部屋に入ってスグに
感覚のなくなっていたはずの身体が
何故だか暖かさを感じた。

不思議に思って
顔を上げた瞬間



「ティキ!!!
 いったい どうしたんさ!!!
 そのキズ・・・
 ち・・血だらけ・・」


耳を疑った。

やはり もう先が無いから
耳の機能が おかしくなって来たんだろうと
一瞬思って さらに目の前にいる
赤い髪の眼帯をした少年を凝視した。

いやいや・・・それならなんで見えるんだ 
もしかして目まで おかしくなってるのか・・・

ゴシゴシと目をこすってみても
消える様子が無い

「いったい なんなんさ!!!
 早く・・・早く 手当てしなきゃ」

そう叫びながら自分の切り裂かれた服を
脱がそうとしている少年に
やっと現実感を抱いて 咄嗟に叫んだ。


「な・・・なんで ココにいるんだよ

 ラビ・・・ ?

 お前・・・・・・

 しばらく逢えないって
 言ってたじゃねーか・・・・・」

想像もしてなかった事に
ただただ 驚いて最後は
声を搾り出して言った。



「そんなこと言ってる
 場合じゃないだろ!

 ティキのバカ!!!

 オレの言う事 聞くんさ!!!」





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