このお話は 「師ティキの絵が欲しい〜」 と 彼さんが某茶で

仰ってたので それだったら普通に描いたものを差上げます〜vvvと

押付けて その代わりに チャッカリ SSを頂いちゃったものです。

つまり SSは 彼さん。 絵がSERUNのコラボ作品です。



少しネタばれ在りの 大人向けの文章ですので
18歳未満の方は 見ないくださいね〜v






大丈夫でしたら ↓ どうぞvvv





































Come With Me.



   煙草の毒に慣れきった肺臓さえ噎せかえってしまうような、薔薇の匂の堆積する庭園の土は
    小麦粉を焼いた菓子のそれだ。
    柔らかく、ざくり、と、左右の十指で掻きむしる度に爪の間が黒く迫害されてゆく

    茂る茨に頭を突っこまれる格好で強姦される俺は頭蓋を右耳の側下に大地に捩じふせられている。

    そんなだから片側に偏った聴覚は不安定の故に殊更に研ぎすまされ、
    例えば他人の不規則な熱っぽい呼吸や衣と肌の擦れあう何処か淫靡な音の群を、
    紙が水を吸着するみたいに良く収集した。
    肩甲骨と、それから逆の腕の肘関節を己の物では有りえない掌が硬く拘束していた。
    実に巧く人の持つ自由度を狭めるものだ。

    そう場違いな感心まで抱かせるほど、其処には純粋な力技とは別の、
    たぶん知識や経験と云う諸源に根ざした閾値外の強さがあった。


             判らないなとおもった。


    今現在この男の中で、そうした物を束ね指向的な暴挙に駆りたてる役割を担っている熱病が
    俺には、どうにも、理解できていない。





     「……っ、ぅ」

     唇が身勝手に放とうとした凛冽な嬌声を奥歯で塞きとめる。
     潰し、殺す。己の躯の覇権を賭けあった真剣勝負の果て、もう敗北と絶望以外の標が残されていない事は
     流石に本能が教えていたけれども。


     惨めたらしく半裸で蹲る俺の背後で腰を揺らしていた存在が小さく愁嘆し、同じく、
     ふと肩に癒着していた掌が位置を変えた。まぎれもない脊椎の急処を抑えながら、そいつがずりあがってくる。


     とんとんとん。

     また三回だけ項が叩かれた。


     「おもいだせるか」


     此処で答を保留すると後が怖ろしい。
     既に頚動脈の周辺は生瑕の嵐と化しているんだろう。
     躊躇した回数だけ咬みつかれたのだ。
     次は、ピアスでも曳きちぎられるかもしれない。


     「……い、ぃや」

     幾ら真摯に囁かれようが脳内の空白が埋まる兆候は訪れない。

     すっかり罅の入った響は己の喉が如何程に酷使されていたか如実に伝えていたけれども、
     そうさせてる方の敵は神の如く冷淡に、ゆっくり俺に覆いかぶさり胴を両腕に包みとった。
     何となく普段の理性を少し遠い処に追いやっているような、そんな違和感が胸に灯る。


     「ティキ」


     呼ばれる名は間違っていない。

     其の事が絶対的に、この十字架の聖職者が以前の俺と特殊な状況下で
     少なくない回数の面識を持つ証拠と為りえていた。

 おそらく、俺はこいつを、知ってる癖に忘却して。

             苛立たせるというより―――淋しがらせて。

     「そうかよ」
     「うん」
     「まったく。何故だろうな……」

     滴る汗を拭ったらしい。

     ばたりと雫が頬を掠めておちる。

      どうしたって黒髪とは混じりあえない真紅を視界の端に捉えても、
      えげつなく臍の裏にぶつかる深度まで挿入された質量を犠牲的に迎えてみても、
      心臓の鼓動に乗る誰何が鳴りやまない。


     辛い。


      「あん、たの、名まえ」

       「クロス」




                 「……悪ぃ」



        覚えて、いない。




 こんなにも卑怯な謝罪を、俺は他に一つさえ知らない。

---

                       END





絵と内容がちょっとリンクしてないんじゃない?って
ツッコミは 無しの方向で(笑)
妄想だけは先に強姦してたんですけど差上げる絵を
強姦絵にするわけにも行きませんでしたので
紳士的なフツ〜の絵になりました。なは

しかし彼さんのSSは 読めば読むほど味が出ます。
ホント ステキなSSありがとうございましたvvv


2008.05.12

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